お墓のかたち④
夏のような熱い日差しに、つい薄着になりがちですが、朝夕の寒暖差が大きい日も多いので、油断せずに行きましょう。
さて、今回もお墓の歴史や今の形式になった経緯などを少しお話ししていこうと思います。
お墓に彫刻
正面には宗派の梵字や名号(南無阿弥陀佛など)、浄土真宗であれば「倶会一処」などが刻まれます。この「倶会一処-くえいっしょ」にも深い意味があり、お経の一つである「阿弥陀経」の中にある「倶(とも)に一つの処(ところ)で会(あ)う」というご文(もん)で、同じ阿弥陀さまのお浄土でまた共に会わせていただくという意味です。
多くは、死んだらお墓の下で眠る、という解釈が一般的かもしれませんが、ここでは、故人のお骨を納め偲びつつ、阿弥陀さまのはたらきや導きによって浄土へ参らせていただくといった意味が込められています。
彫刻に色
側面や裏面には建之日・建之者、側面に故人の命日・俗名(生前の名前)などを刻み家紋は水鉢や花立てに刻む。文字の所に墨を入れる場合もありました。現代では墨というより、雨や風化にも強いペンキやスプレーで色を入れることも多いです。彫刻した部分に入れる色は、石の色や地域により黒、白、金などがあります。白御影石であれば、彫刻した文字や図柄がハッキリ見えない場合が多いので、白や黒を入れることがあります。白御影に白色では意味がないのでは?と思われるかもしれませんが、意外と映えます。黒色を入れれば、コントラストで色が強調され、よりハッキリ文字や図柄を目立たせることができます。
良い石材や形にこだわることも一つですが、
彫る文字や図柄の意味や思い入れの強さによってもお墓の完成度が変わってくるような気がしました。